Gustav Mahler

年齢不詳の私ですが、パーソナル・ヒストリーを僭越(せんえつ)ながら披瀝させていただきます。カッコイイのか悪いのかわかりませんが、私は28歳で大学に入学しました。当時サラリーマンをしていたので、昼は会社、夜は学校、授業が終わってまた会社で仕事という二重・三重生活を4年間つづけました。大学は私立の美大でしたので、給料の大半は学費に消えてしまいましたが(私立の学費は高いですね・苦笑)、自分なりにいいお金の使い方をしたと思っています。年の差が一回りも離れた若者たちと共に過ごした学生生活は、「与える」ことより「与えられる」ことの方が多かったような気がします。
そんなステキな仲間たちとの卒業制作展がドイツ人の先生のご尽力によりバウハウス(写真)で行われることになりました。そうです、あのバウハウスです。4年間の集大成がバウハウスでできるというのは、これ以上の舞台はないと思えるほど感慨深いものでした。会場を訪れてくれた方々は作品を前にして、積極的に私たち学生とコミュニケーションをとろうと様々な質問を投げかけてくれました。英語で四苦八苦しながらの問答を思い返すと、今でも背中に汗をかいてしまいます。

あれから10年。いま思い起こせば、あの頃が私の絶頂期だったかなぁ。
「いやいや、そんなことはない。」微かな可能性に希望を見いだそうとする自分。
一方で、もうこれ以上は無理。一度希釈された人生の濃度はもうもどらない。薄い呼吸の中で余生を送ってゆくのだろうか。わからない。でも、はっきりしているのはこのテキストを書いている背後にマーラーの交響曲第五番、葬送行進曲が不穏な空気とともに流れているのは確かだ。


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