Kyrie Kristmanson

このPVいいですよ。キリエ・クリストマンソンさん(Kyrie Kristmanson)。タイトル『Song X』。すっかり見逃してました。もう10ヶ月も前に投稿されていたんですねぇ。。。
慌てて、この曲が収録されているアルバム『ORIGIN OF STARS』を買いました。どうやら国内には在庫がない模様。で、amazon.co.ukで買いました。スタジオ録音ヴァージョンの『Song X』はリヴァーヴを効かせた音作りで高感度大です。
ちなみに、NO FORMATでもスタジオ録音版を視聴できます。
ネット上に日本語の情報があまりないので、不確かなところもありますが、専門筋からの評価も高いようで、今後が多いに期待できる新人さんです。
LISTEN!

Dane Lovett

この作家さん、ステキですね。

もっと見る

Jeb Loy Nichols

ジェブ・ロイ・ニコルズさん(Jeb Loy Nichols)。
優れたシンガー・ソングライターであると同時に、味わい深い作品を残してきた木版画家でもあります。
そして、おそらく「ユルい」という形容詞が市民権を得る前からそれを実践してきた人物でもあります。

ジェブとの出会いは、2002年リリースの『easy now』。鼻声ヴォーカルが文字通りユルいです。でも、そこにわざとらしさなどなく、フツーに発声したらこうなったという極めて自然体のスタイルにはまりました。

で、最新作の『Long Time Traveller』。レゲエです。
彼自身曰く、
「このアルバムはカントリー色の強いものになるはずだった。でも、音を聞いているうちに70年代のレゲエに近い気がしてね。オールドスクールな雰囲気に仕上げることを意識しながら制作したんだ。そもそも、ぼくはレゲエとカントリーとの間に共通性を感じていたんだ。」
なるほど聴いて納得のコメントです。

決して派手さはありませんが、じんわりと染み入る好盤です。

Hope Sandoval

気分が沈んでいるとき、カタルシスを求めてダウナーな音楽を聴くか、片や対照的にポップな音楽で自らを高揚させるか、人によって大きく分かれるところだろう。
私の場合、メランコリックな気分に陥ったときはほぼ前者の行動をとる。
しかしこのような行動パターンはいまの病気に端を発しているわけではない。
メランコリックな状態にあることが単純に好きなのだ。
要するに、私は自己愛人間であり、ナルシストということになる。
このような習性は厄介だけれども持って生まれた性分だからいかんともし難い。
おまけに執着心が強いときているから、周囲からしてもまったくもって疎ましい存在にちがいない。

さて、自分の性格ばかり並びたてても面白くないので、ここはひとつ最近聞いたお気に入りのアルバムをひとつ挙げておくことにしよう。
アーティスト:ホープ・サンドヴァル(Hope Sandoval & The Warm Inventions)。
アルバムタイトル:バヴァリアン・フルーツ・ブレッド(Bavarian Fruit Bread)。
この中の一曲『On the Low』が映画『sprout』のサントラに使われていたのを見つけて、このアルバムに辿り着いたという次第である。その曲のヴォーカルとメロディーからアルバム全体の構成をダウナーなものと勝手に想像していたのだけれど、その予想をはるかに上回る内容だった。
冒頭に、「ダウナーかポップか」という大雑把なくくりをしたけれど、そんな自分がちょっと恥ずかしくなった。というのも、このアルバムはダウナーであるばかりでなく、ポップの要素も多分に盛り込まれ、それがちょうどいい具合にミックスされている。
両者は同根のニ輪の花であることを見事に証明してくれた。
ゲストも多彩で、私の愛するレーベル、ルーネ・グラモフォン(rune grammofon)からアルバムをリリースしているノルウェーのトランペッター、アルヴェ・ヘンリクセン(arve henriksen)の参加をはじめ、トラッド・フォーク/音響/テクノ系前衛ジャズなどのミュージシャンが集結している。
ライナーノーツによれば、ホープ・サンドヴァルはオスロに自身のスタジオを所有しているらしい。そんなロケーションの効果もこのアルバムには表れているはずだ。
久しぶりにおいしいアルバムを手に入れた。

In The Country

相変わらず秀逸なジャケットのアートワークに惹かれて「ルーネ・グラモフォン(rune grammofon)」のアルバムがまた一枚私のコレクションに加わった。
「イン・ザ・カントリー」というピアノトリオの作品がそれである。
アルバムタイトルは”This Was the Pace of My Heartbeat”。
なんとなくそそられるフレーズである。加えて、ジャケットのスリーブに書かれた「リリカル」という言葉に反応して(ちょうどセンチメンタルな気分もあってか)ついつい購入してしまった。
フリージャズのように自由で爆発していないと刺激が足りないのか、このところほとんどピアノトリオを耳にしていなかったし、実際に聞いてみるまでは正直なところあまり期待していなかった。
ところが「イン・ザ・カントリー」は従来のピアノトリオに対するイメージを「美しく」壊してくれた。
これまで「美しい」という形容詞を様々な対象に当てはめてきたけれど、これは「美しい」と呼べる新しい対象の発見である。
限りなく真空に近い空間の中でかすかに揺れる微細な音の波動をピアノという楽器で静かに爆発させているようだ。
それはジャズ、ロック、クラシック、エレクトロニカ、現代音楽といった様々な領域から影響を受け、それを自分のものにすることができた希有な存在のみが作り出せる音だろう。
モッテン・クヴェニルという男が「イン・ザ・カントリー」の中心人物らしいが、今回のアルバムでは11曲中9曲が彼の作曲からなる。
ルーネ・クリストファーシェンのライナーノーツによれば、彼はキース・ジャレットは聴かなかったけれど(笑)、ポール・ブレイやモートン・フェルドマン等をさかんに聴き、影響を受けてきたという。
アルバムの最後に収められている曲はヘンデルの『涙が流れるままに』をベースに彼が編曲したものであるが、この「美しい」アルバムのラストを飾るにふさわしい出来映えだと思う。

Yan Tomita

「…でもそのかっこ悪さってちょっと視点をずらしてみるとかっこ良かったりするんだよね。その時に、自分の視点の外し方とか、裏側から見る感覚とかばっちり鍛えたね。だからさー、人の音楽を許すこともできるわけ。全然自分の興味のない音でも、僕がただ興味がないというだけの話で、僕以外に興味を持っている人たちはいるわけで、他者批判して内部充実みたいなことをしなくなったね。そこで初めて自分の中の可能性に気付いたんだよ。もう一回若返れたんだ。」
(GAZETTE4編『モンド・ミュージック』アスペクト、16ページ、ヤン冨田氏インタビューより)

ヤン冨田氏、恐るべし。

Gil e Jorge

友人に紹介されて聞きはじめた「カエターノ・ヴェローゾ」。
『ユリイカ』のバックナンバーで本人の特集号が発刊されていることを見つけ、早速取り寄せる。
このことをきっかけに、にわかにブラジル音楽に対する熱が高まってきている。
思い起こせば、ECMレーベルの音源をさかんに蒐集していたころ、ナナ・ヴァスコンセロス、エグベルト・ジスモンチなどを通じてブラジルの音には接していたし、なかんずくジョアン・ジルベルトやアントニオ・カルロス・ジョビン、バーデン・パウエルなどボサノヴァ最強軍団は当然ながら耳にしていた。
しかし、どうして「カエターノ・ヴェローゾ」には辿り着かなかったのだろう。
ポピュラー音楽にくくられるから?
失った時間を取り戻そうと、必死になって彼の音楽を聴いている(必死になって聴く音楽ではないのだけれど)。
先の『ユリイカ』に掲載されているディスコグラフィーを参考にしながら、とりわけ名盤と呼ばれているアルバムから少しずつ集め始めている。
同じ『ユリイカ』の中で、中原仁さんのインタビューにこたえて、ジルベルト・ジルのことを「ぼくの先生のようだ」と評している言葉が目にとまった。ならば、今度はジルベルト・ジルを聴くしかない。
私が最初に手にしたアルバムは『Gil e Jorge(ジルベルト・ジルとジョルジ・ベン)』。最初にこのアルバムに出会えたことは幸運だった。
タイトルが示す通り、二人の共演盤である。両者のボーカルとギターを互いに交差させながら淡々と進行してゆく。そこにはブラジルという土着性とコスモロジー的な浮遊感に満ちあふれた空間が見事に演出されている。
しかしそれは計算されたものではなく、ふたつの稀有な才能の邂逅そのものである。聴く者に緊張感を強いることなく、豊かなミニマリズムが実現されている。

Caetano Veloso

エッセイストで翻訳家の岡本太郎さんがこんなことを書いていた。
『ブラジル・ポルトガル語はあまくてやわらかい。
そしてちょっとねばっこい。キャラメルみたいだ。
もしかするとキャラメル・フレイバーのコーヒーかもしれない。(中略)おまけにしなやかだ。
アフリカの草原に棲む大型や中型のネコたちのようによくしなる。』
(ユリイカ 2003年2月号)

カエターノ・ヴェローゾの歌声を聴いていると、まさにこの表現があてはまる。
おかげで、ひとつの日課ができた。
夜、眠る前に彼の声をしっとりと聴くのである。
風呂上がりに部屋の電気をすべて消す。
小さなボリュームでカエターノのポルトガル語に耳を傾ける。
アルコールも煙草もいらない。
ただ床にゴロンと寝て、わずかばかりの睡眠薬とともにゆらりゆらりと眠りに落ちる。
「あまくてやわらかい」眠りに落ちる。

Eddie Cano

小林径さん(ルーティンジャズ系)、須永辰緒さん(夜ジャズ系)など、クラブジャズの原石。

エディ・カノさん(Eddie Cano)の極上ライヴ、『BROUGHT BACK LIVE FROM P.J.’S』 です。

すべての鍵盤からリズムを巻き起こすような弾きっぷりにホレボレしてしまいます。

おいしいフレーズ、かっこいい曲が泉のごとく溢れては流れていく空気とシンクロするかのように、オーディエンスもとてもつなく熱い!

リズムセクションとの連係プレイもまた、猛烈に興奮させてくれます。

ママス&パパス『MONDAY MONDAY』などを素早くカヴァーするセンスもさすがですが、極めつけはやはりオリジナル曲、とりわけ『I CAN’T CRY ANYMORE』、『I’LL NEVER FORGET YOU』といったところでしょうか。

泣かせるメロディ、美しいタッチと力強いリズム。

この日の P.J.’s はフロア中が揺れていたにちがいありません。

P.S.
このライヴが行われた年が、筆者の生まれた年。
エディ・カノさんの命日が筆者の誕生日と同じ。
はたして、輪廻転生はあるのでしょうか?

Bobbi Humphrey

ロルフ・キューンさん(Rolf Kuhn)の『SOLARIUS』を聞いて以来、ジャズとクラリネットの関係って面白いかもって思いつつ、いろいろな音源を探していたところ、ジャズ・ヴォーカルとフルートの達人、ボビー・ハンフリーさん(Bobbi Humphrey)に辿り着いてしまいました。

タイトル『BLACKS and BLUES』。

ジャズ・フュージョン系でありながら、かなりファンクに傾いているノリといえばよいでしょうか。
注目すべきは、BlueNoteからリリースされている点です。

今でこそクラブに近いジャンルの音楽を扱うようになっていますが、当時としてはかなり斬新的だったんじゃないかと思います。
聞き方によっては現在で言うところの、アシッドジャズではないかと…。

M-2 ‘HARLEM RIVER DRIVE’ や M-4 ‘BLACK AND BLUES’ はネタとしてもフロアーで大人気だとか。

ハンフリーさんのフルートはとても気が利いたサウンド。

しかし、彼女のアフロ、すごいことになってますね。

そんなアフロから子供のような可愛らしいヴォーカルが繰り出されるのだから、「外見で判断するな」とはこういうことですね!