Tisziji Munoz

ソニック・ユースでも活躍するシカゴの即興ギタリスト、ジム・オルークさん(Jim O’Rourke)は、自身のアルバム『ユリイカ』(99年)のジャケットに友沢ミミヨさんを起用、くるりのプロデュースを手掛けるなど、日本のとの関わりが何かと深い方です。
特にジャズ・ミュージシャン、坂田明さんとの共演をきっかけに日本語も勉強し、現在ではメールのやりとりも半分は日本語でこなしているそうです。
その坂田さんとの共演ライヴ盤『およばれ/テトロドトキシン』収録曲のタイトル、「こんだて」「きんべん」「かばん」「こうもりがさ の しゅうぜん」は、そのメールの中で使われていた言葉とのこと。どんなメールなのか、気になりますね?
そんな親日家ぶりが高じて、とうとう日本在住を決めてしまいました(2006年夏)。本人弁によれば、「音楽活動を停止して東京へ移転、映像を勉強」ということになっておりますが、やはり音楽活動は大切なライフワークなのでしょう、「社会人」というレーベルを立ち上げ(なんとも人を食ったネーミングですね)、あいかわらず絶好調ぶりを発揮しているジム・オルークさんなのです。
スウェーデンのシンガー、スティーナ・ノルデンスタムさん(Stina Nordenstam)の熱狂的なファンとしても知られ、自らノルデンスタムさんをプロデュースしたいと何度か申し出ているようですが、ことごとく断られているようです(笑)。
一方で、手練のギタリスト、ティシージ・ムニョスさん(Tisziji Munoz)とは蜜月関係にあるようで、先の「社会人」レーベルからムニョスさんの新作がリリースされました。アルバムタイトル、『LOVE ALWAYS – SPIRIT OF THE ANCIENT MASTERS』。
このティシージ・ムニョスさんという人は、事故がもとで手首の神経を損傷したハンディキャッパーなんですね。ギタリストにとっては致命的とも思われるアクシデントです。
でも、ムニョスさんはくじけませんでした。
今では「ギターのジョン・コルトレーン(John Cortlane)」と称されるほどの独自の音世界をつくりあげ、神にもっとも近い現役ギタリストのひとりです。
1946年生まれ。御年60歳のヴェテランですが、スピリチュアルで、クリエイティブなサウンドは、リスナーのみならず、世界中のプレイヤーを魅了し続けています。
手首のハンディ。
ワンノートしか弾けないという、彼の演奏スタイルと音楽性は、日々の生活に埋没した何かをふつふつと蘇らせてくれます。


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