Akira Terao

数年前にさかのぼりますが、MUSIC MAGAZINE誌の年末特集は、おなじみ「ベストアルバム2006」です。ロック、J-POP、ハウス、テクノ、ジャズ、ブレイクビーツなどあらゆるジャンルをごった煮にして見せる手法にはちょっと閉口気味ですが、そんな中でもピーター・バラカンさんが「今年もっともうれしかったこと」として、中学生時代に夢中になったU.K.のブルー・アイド・ソウル界の至宝、ジョージィ・フェイムさん(Georgie Fame)のアルバム『フェイム・アット・ラスト』がリイシューされたことというコメントが印象的でした。若かりし頃のバラカンさんが惚れ込むくらいだから、フェイムさんは今はきっとステキなおやじになっているんだろうなぁと勝手に想像をふくらませています。
ひるがえって私の中学生の頃といえば、寺尾聰さんの『ルビーの指輪』(1981年)が日本中を席巻していました。現在のように四方八方から様々な音源を手に入れられる時代ではなかったので、リスナーの指向性が偏っていたともいえるし、ヒット曲に対する過剰な反応ぶりが至極当たり前の状況にあったともいえます。ヒット曲が世相を反映し、社会現象に発展するという構図がフツーであり、TBSのザ・ベストテンで連続1位獲得→レコード大賞受賞→紅白出場という図式がティピカルな時代でありました。
寺尾聰さんというひとは多面体なキャラクターをもったアーティストさんで、おそらく60年代生まれを境に、「音楽人」として認知されているか、あるいは「役者」として認知されているかが分かれるかと思います。ちなみに私は「音楽人」としても、「役者」としても寺尾聰さんが持つ懐(ふところ)の深さに傾倒しています。願わくば、寺尾聰さんのように時代を共有する友人たちに囲まれ、年輪を重ねていきたいと思う次第です。
そんな寺尾聰さんが25年前の大ヒットアルバム『Reflections』を丸々リメークしました。某大手輸入CDショップに足を運んだところ、ジャズのフロアでも『Re- Cool Reflections』の楽曲が流れていました(それがきっかけで今回のアルバムの存在を知ったわけですが…)。25年前はお金がなくて買えませんでしたが、『Re-Cool Reflections』はがっちり手に入れました!

「楽しそうだから、面白そうだから、やる。それが出来る大人になった、ということかな」(c) AKIRA TERAO


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