英国生まれのペインターのピーター・ドイグさん(Peter Doig)。
過日行われた、あのサザビーズ(Sotheby’s)で「White Canoe」という作品がなんと、予想額の6倍の5,730,000ポンド(当時のレートで約13億6000万円)で落札され、リヴィング・アーティスト(現在生きている作家)の過去最高額を塗り替えてしまった、なんともたいそうな作家さんなのです。
1959年、スコットランド、エジンバラ生まれ。
94年にターナー賞にノミネートされるなど、現在イギリスを中心に高い人気を誇っている新しい世代の画家さんです。
自然と人間の関わりというトラディショナルなテーマを扱いながらも、しかし非常に幅の広い表現を得意としており、ときに18世紀の風景画家クロード・ロランさん(Claude Lorrain)を想起させるペインティングを描くかと思えば、またあるときは新聞の切り抜き写真やポストカード、映画からのワンシーンなどを引用しながらミクスチャーなスタイルを用いたりと、多彩ぶりを発揮しています。
白による「抜き」が彼らしい。
まだら、しみ、反発、ちらちらする汚れのレイヤーのオプティカルな効果が、深くて目の前の景色になる…。
うわさには聞いてましたが、実際に画集を眺めてみると、その感覚がよくわかります。
サザビーズで落札はできませんが、この画集『WORKS ON PAPER』なら手が届きます。
しかし、本物を観たいなぁ…。
13億6000万円。
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