もしも、生まれかわれるとしたら画家になりたい。
そして、もしも幸運にも自分のアトリエも持てるとしたならば、こんなアトリエが欲しい。
そう思わせる一冊。タイトル、『Atelier Morandi』。
イタリアのボローニャ出身の画家、ジョルジオ・モランディさん(Giorgio Morandi)のアトリエの風景を同じくイタリアの写真家ルイジ・ギリさん(Luigi Ghirri)が撮影したものです。
モランディさんという画家は、「瓶と椀」をモチーフにした静物画をひらすらを描き続けた、ある意味「偏執狂的な」作家さんです。
アートという名を借りたコマーシャリズム、あるいは時流とのシンクロ・時代性といったものから一定の距離を置き、独自の姿勢をつらぬいたひとりの画家の(命をかけた)ライフスタイルが映し出されています。
サイレントで、ミニマルでありながらも、使い込まれた画材は、たとえそれが静物画であっても、そこにに生命が宿る孤独な画家の奥義を垣間みるようです。
ひそかなロングセラー、『Atelier Morandi』。
ソフトカバー、カラー図版、イタリア語・フランス語。Palomar Editore刊。
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