Lena Herzog

『FLAMENCO DANCE CLASS』。
フラメンコのダンスクラスの一日を時間軸に沿って映しとった小さな小さなモノクロームの写真集です。日本で言うところの、ちょうど文庫本サイズといったところでしょうか。

にもかかわらず、映しとられたダンサーの動きは、限られた誌面サイズからはみ出てしまうほど、躍動感にあふれています。
写真家は、Lena Herzogさん。サント・ペテルブルク大学で言語学を学び、スタンフォード大学で考古学を、名門ミルズ・カレッジでは哲学の学士号を取得し、さらには、ロシア語、英語、スペイン語、フランス語の四カ国語をあやつる才媛です。

そんな、Herzogさん。写真は「独学」だとか。

彼女のサイト(www.lenaherzog.com)で、「独学」写真のアーカイブを拝見することができますが、先の言語学や考古学にしっかりと裏打ちされた骨太の写真が堪能できるはずです。

『FLAMENCO DANCE CLASS』が興味深いのは、写真集としてすでに成立しているだけでなく、それらとシンクロナイズするように、ダンサー自身が語る言葉が随所にちりばめられているところ。
ひとりのダンサーの言葉が印象に残りました。

I am more Gypsy than the ribs of the Pharaoh.
『ファラオの妻であるよりも、私はジプシーでありたい。』(筆者拙訳)

強い写真家と、強いダンサー。
小振りな体裁に似合わず、「強い」写真集です。


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