カントリーの音。
ちょっと大雑把な言い方になりますが、日本人の耳からするとちょっと「キンキン」した印象があるのではないかと思います。かつて、私もそのなかのひとりでした。
そんな中で、ひとりの女性シンガーがバッサリと私の先入観を断ち切ってくれました。
エミルー・ハリスさん(Emmylou Harris)がそのひと。
なかでも彼女のキャリアにおいて分岐点となった『Wrecking Ball』(’95年リリース)はいまもって私の愛聴盤のひとつです。このアルバムは、彼女自身のマイルストーンにとどまらず、カントリーのフィールドをかつてないほどにひろげた画期的な楽曲集で、「オルタナティヴ・カントリー」というあたらしいジャンルを切り開いたという意味で、歴史的な遺産でもあると思います。
このような経緯があって、「オルタナティヴ・カントリー」の沃野を切り拓くべく、大手CDショップで試聴したりするのですが、エミルー・ハリスさんの存在が大きすぎて、なかなか買うところまではたどり着けない状況がつづいていました。
ちょっとじれったい気分になっていたところに、久々に来ました!
Mary Gauthierさん。
アルバムタイトル『Between Daylight and Dark』(写真)。
本国アメリカでは、ルシンダ・ウィリアムスさん(Lucinda Williams)、タウンズ・ヴァン・サントさん(Townes Van Zandt)、スティーヴ・アールさん(Steve Earle)といった面々と並び称されているようです。
あのヴァン・ダイク・パークスさん(Van Dyke Parks)が本アルバムにゲスト参加していることからもその実力のほどがうかがえます。
ダークなサウンドの中にも女性らしい強さを備えたヴォーカルがとても印象的です。
アメリカの光と影のようなリアリティーあふれる楽曲。
真夜中のインターステート・ハイウェイをひとりでドライヴしたくなる一枚です。
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