Julie London

「セクシー」という言葉をつくりだしたのは、かのマリリン・モンローさん(Marilyn Monroe)というのが定説ですが、同時代にマリリンさんとなにかと比較されたもうひとりの「セクシー」さんがいました。
女優として数々の映画に出演し、ジャズ・ヴォーカルとしても30本を超える名盤を残しました。彼女の名はジュリー・ロンドン(Julie London)。日本での知名度はいまひとつですが、当時のアメリカでは、「セクシー」さんの双璧でした。
なかでも、『Julie Is Her Name(邦題:彼女の名はジュリー)』はジュリーさんの代表作。同じタイトルでVOL.1とVOL.2がありますが、おすすめはVOL.1。一曲目の「クライ・ミー・ア・リヴァー(Cry Me a River)」がかかった瞬間、ゾクゾクッときます。
ダイアナ・クラールさん(Diana Krall)が同曲をカヴァーしたり、アーティストさんやDJさんが「夜のお供」ともいえそうなリラックス・トラックを選曲するUK / Azuliレーベルの人気コンピレーション盤『Late Night Tales』シリーズ(www.latenighttales.co.uk)にも取り上げられたりで、ここのところ再注目・要チェックのセクシー・ジュリーさんなのです。
さて、もうひとりの元祖セクシー、マリリンさん。もはや、語るまでもなく、20世紀アメリカの巨大なマス・メディアがつくりあげたセクシーな「女」の記号です。
1968年、アンディ・ウォーホルさん(Andy Warhol)は彼女の死亡のニュースが流れると即座に彼女を題材にすることを決め、有名なシルクスクリーンによる作品を次々と生み出していきました。
マリリンさんを始めとした、あまたある「記号」を題材に名作を世に問うていったアンディさん自身も、ポップ・アートという名の下に記号化されてしまったのは、なんとも皮肉なデキゴトです。
ジュリーさんも、マリリンさんも、そしてアンディさんもすでに天上の人ですが、そのイコンは世紀を超えて今も地上にある私たちに向けメッセージを送りつづけています。


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