私のもっとも尊敬する映画監督:
ヴィクトル・エリセさん(Victor Erice)
私のもっとも尊敬する画家:
アントニオ・ロペス=ガルシアさん(Antonio Lopez Garcia)
もっとも尊敬する映画監督さんが、もっとも尊敬する画家さんの創作活動をドキュメンタリーとしてとらえた作品『マルメロの陽光』(1992年)は、10余年の時を経てもその輝きを増すばかりです。
あらすじ
画家は毎年同じ日にマルメロの木の前にキャンバスを据え、日々変化するその姿を写しとろうとするが、今年も絵は完成しない…。家族や友人とのやりとり、家の改修工事など日常の情景を取り込みながら、実在の画家のユニークな創作活動を追うドキュメンタリー。
アクションも、エンターテイメントも、起承転結もない映像です。淡々と。アントニオ・ロペス=ガルシアさんの永遠のモチーフ「マルメロ」とのダイアローグ。
「あ、まだ描いてる」
「お、ちょっと進んだじゃん」
「今更構図直すんか、、え、ぜんぶ消しちゃうの?」
「ああ、、、、季節変わっちゃったよ、、」
「実、収穫されちゃってる!(笑)」
そんな感じです。
DVD買うもよし、画集を買うもよし。
「リアリティって何?」
シンプルな問いですが、深い疑問です。哲学・宗教的な視点からのアプローチがごまんとあるなかで、『マルメロの陽光』はフィルムという手法を用いてひとつの答えを導き出しています。ユルい映像が印象度★★★★★
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