キラー通りに突如出現したグラフィティ。ビルのファサードを全面に使ったアートワークは、いま最も旬なアーティストのひとり、バリー・マッギーさん(Barry McGee)の手によるもの。
サーフ・スケート系のみなさんにはお馴染みというか、むしろ五つ星スター級のアーティストさんですが、簡単にご紹介させていただきます。
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バリー・マッギーの名は、1998年のサンフランシスコ近代美術館(SFMoMA)、2001年のヴェニス・ビエンナーレによってアート界にあっという間に知られるようになった。
西海岸で『ツイスト(バリー・マッギーのタグ名でグラフィティ用の署名)』というやたらに絵がうまいグラフィティ・アーティストがいるという噂は、アメリカ中のグラフィティ達から、世界中のキュレイターまで一気に広がった。
しかし、バリー・マッギーを「80年代のキース・ヘリングの再来」と、短絡的に言うことはできない。
バリーの作品は、対峙するふたつの顔をあわせ持った複雑さがある。
中国系の母親を持つアジア的なDNAと生まれ育ったサンフランシスコでの体験。
常に新しい状況を作品に取り入れる現代性と80年代への憧憬というノスタルジー。
アートのフラジャイルな繊細さとストリートカルチャーの大胆さと荒々しさ。
バリーの作品を見ていると、気を抜くとエッジから足を踏み外してしまいそうな緊張感に襲われる。今度は、既成概念やモラルのスイッチを切り作品の中を回遊する。
緊張感は胸の高まりに変わり始め、自由の庭園にいることに気付く。
(『バリー・マッギー展』リーフレットより引用)
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このビルの向かいにあるワタリウム美術館で、『バリー・マッギー展』開催中です(2007年9月30日まで)。イラストレーション、ペイント、インスタレーション等々、激オススメです(www.watarium.co.jp)。
FABULOUS!
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