Constantin Brancusi

今から遡ること25年。
20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与えたコンスタンティン・ブランクーシさん(Constantin Brancusi)の生前のアトリエ風景をまとめた写真集です。
没後25周年のアニバーサリー・イヤーである1982年にフランス・ポンピドゥーセンターから出版された書籍です。

有機的・抽象的彫刻作品を制作したブランクーシさんのアトリエ風景。
濃淡の美しいグラビア印刷で刷られた、ブランクーシさんの作品の持つ静謐(せいひつ)な雰囲気を捉えた構成が見事です。
ご本人さんのポートレートだけでなく、フェルナン・レジェさん(Fernand Leger)の姿も写っていたり、作品の制作過程が収められていたり、とても100年前の出来事とは思えないほど、精緻でダイナミックな空気がビシビシと伝わってきます。

アトリエ風景といえば、先日ご紹介したマン・レイさん(Man Ray)の写真集もなかなかですが、実は、このふたり、お互いを認め合う親友同士だったんですね。
彫刻家であるブランクーシさんが写真に熱中したり、写真家であるマン・レイさんが彫刻にのめり込んだり、異なる領域をクロスオーバーする当時のアーティストさんの相関図は非常に興味深い逸話です。

昨日ご紹介したリュシアン・エルヴェさん(Lucien Herve)もそうですが、パリのレジスタンス以降のモダニズムの現場、キュビズムから離陸し、太い輪郭線と単純なフォルム、明快な色彩から構成された作家さんの潮流にいま熱い視線を送っています。


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