Feist

2007年、夏空がまだ遠い、早春の頃。
実力派、フィメール・シンガー・ソングライター、FEISTさん(フランス系カナダ人)の新作『THE REMINDER』にで会いました。

どこまでも洒脱で心地よく、やわらかくて、センス抜群のソング・ライティング。
試聴、即、買いでした。
エレクトロとフォークとヒップホップを絶妙にミックスしたサウンドは洗練の極み。

ひと夏をこえて、一時のセールスのピークも超えたかな…、

と思っていたところに、新iPodのCMソングに『THE REMINDER』のM-9、「1234」がタイアップとして流れているではありませんか!

仲良くさせていただいているCDショップのスタッフさんにお伺いしたところ、問い合わせ殺到のご様子。あわてて再入荷されたようです。

CMの波及効果のすごさをあらためて認識させられた出来事ですが(iPodというのもそれに拍車をかけています)、『THE REMINDER』に収録されたいずれの曲も、美しいメロディ・センスと、やわらかなハスキー・ヴォイスが一体となった、歌心に溢れた佳曲揃いですよ。

素人の私があれこれ書くよりも、FEISTさんの輪郭が明快に伝わるインタビュー記事を引用させていただきます。

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デス・フロム・アバヴ・1979、ブロークン・ソーシャル・シーン、ピーチーズ……最近、ますます脚光を浴びているカナダ・シーン。
そのシーンの中心から、美しい個性が登場した。FEISTは76年2月13日生まれの水瓶座。パンク・バンドのヴォーカルとして音楽活動をスタートさせるが、ツアー中に突然声が出なくなったことが彼女のキャリアの分岐点になった。

「喉が治るまで、ひとり静かにギターを弾いていたわ。メロディーに耳を澄ませることの始まりだった。その時に初めて自分自身で曲を書いたのよ」。

シンガー・ソングライターとしての道を見い出した彼女は、そんな時に知り合ったピーチーズと一軒家をシェアした共同生活を始める。
「701」と呼ばれたその家には、驚くことにゴンザレスやモッキーが合い鍵を使って自由に出入りしていたらしい。

「カナダは寒い土地だから、暖かくしているには、みんなで集まってジョイントを回したり、パスタを作ったり、それぞれのデモを聴いたりするのがいちばんなの(笑)」。

そして、モッキーやブロークン・ソーシャル・シーンの作品に参加するかたわら、ゴンザレスをプロデューサーに迎えて完成させたのがデビュー・アルバム『Let It Die』だ。
シンプルな要素で構成されながら、緻密でニュアンスに富んだトラック。
そこにぴったりと寄り添うFEISTの歌声は生々しくも官能的で、独特の雰囲気を持っている。

「歌うことは、本能の赴くままにスキーのスラロームをすることに似ているわ。私が信じているのは、口を開けて歌う時に何が起こるかわからないということ。その事実を受け入れたら、歌うことは陽気なものになると思う」。

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ソース: 『bounce』誌 265号


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