Millie Vernon

朝日新聞にこんなコラムが掲載されました(2007年3月7日付)。

米国の女性ジャズ歌手、ミリー・ヴァーノンのアルバム「イントロデューシング」が7日、脚本家の故・向田邦子さんの愛聴盤として、雑誌やテレビで紹介されてきたが、長く入手困難だった一枚だ。
エッセー集「眠る盃(さかずき)」に収められた一文にバーノンの名が登場する。水ようかんを食べる時のムードミュージックは何がいいかと自問し、このアルバムの3曲目「スプリング・イズ・ヒア」が一番合うように思う、と書いている。
56年の録音。向田さんが所有していたのは、74年に出た日本盤で現在、かごしま近代文学館に収蔵されている。
99年に一度CD化されたが、すぐに市場から消え、ネットオークションで高値がついていた。
「冷たいような甘いような、けだるいような、なまぬくいような」と向田さんが表現するその歌声は、クリス・コナーにも似ている。トランペットのルビー・ブラフ、ピアノのデイブ・マッケンナ、ギターのジミー・レイニーらの演奏も小気味がいい。
水ようかんに合うかどうかはともかく、ホッと一息つきたい時にはぴったりの作品だ。

私もようやくこのアルバムを手に入れました(写真)。ビリー・ホリデイを彷彿とさせるグルーミーな唄声が魅力です(しかも美人)。
向田邦子さんのフェイバリッツ「スプリング・イズ・ヒア」。不肖、私の拙訳にしたがえば、「春が来たけれど心は弾まない。恋人がいないから…」と憂鬱な雰囲気を情感たっぷりに唄っています。
地味だけれども、なぜか心に滲みる…。
さっそく、iPodに入れました(水ようかんはないけれど)。


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